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足こぎ車いすは1998年から歩行困難者を補助する研究をしていた東北大学医学部の半田康延教授(当時)と鈴木堅之(現:株式会社TESS 代表)との出会いから多くの困難を乗り越え、2009年に実用機が完成し、プロファンド(現名称:コギー)として発売されました。
1998年に「東北大学医学系研究科運動機能再建学分野」という名称で、医学部の半田康延教授(当時)を中心にFES制御(ファンクショナル・エレクトリカル・ステェイミュレイション=機能的電気刺激システム)の研究が行われていました。半田教授らの研究グループは、「電気信号を送る事で動かない足を動かせないか」という研究を行っていました。FES制御という世界的研究は注目を浴びましたが、筋肉を収縮した状態をつくるためにフルパワーの電気刺激を加えることになり、その電気刺激が心臓に大きな負担をかけ、別の障害が起きる危険もあり、体内埋め込み型のFES研究は5年でやむなく中断となりました。
そこで、半田教授らは、障害を抱えた人が一番楽な方法で足を動かすにはどうしたらいいのかという基本的な問題に発想を変え、座って足を動かすのが転倒の心配もなく安全だとわかり、車いすにペダルをつけて漕ぐことを思いつきました。そしてFES制御を使い、電気の刺激によって麻痺した足を動かして車いすを漕ぐという試作機をつくりました。車いすでありながら、足でこいで移動できる。機能は自転車と車いすを合わせたものなので、「足こぎ車いす」と名付けられました。
足こぎ車いすは、ニューロモジュレーション理論といって、電気刺激を使って麻痺した足を動かす方法で、この理論は脊髄の神経回路の回復を目的とした治療技術でした。電気を流すことによって患者さんの麻痺した足の筋肉を収縮させたり弛緩させたりします。
ある時、患者さんが電気刺激のスイッチを入れない状態で、足こぎ車いすのペダルをスイスイ漕いでいるのを半田康延教授(当時)が目撃しました。これが次の研究ステップにつながり、電気信号を活用せず、人間の「反射」反応を刺激し、足が動く仕組みを発見しました。
しかし、初号機は80kgもあり、製品として世の中に出せるものではありませんでした。その後初号機は研究室で眠ることになってしましましたが、偶然にも鈴木堅之(現:株式会社TESS 代表)と出会いました。当時鈴木は、会社員でしたがこの素晴らしい商品を世の中に出し、「歩行が困難な人に希望を届けたい」という想いから、株式会社TESSを設立してから商品化に向けては3年になります。足こぎ車いすとの出会いから10年かけて今のCOGYの原型を2009年に完成させました。そして、奇跡的なたくさんの出会いと多くの応援者に恵まれ、80kgから14kgという軽量化に成功し、機能・デザイン性を高め2009年に販売をスタートしました。商品名は、開発者である半田教授への敬意を表し、プロフェッサーハンダから、プロファンドと名づけました。
その後、2016年、もっと「歩行が困難な人に希望を届けたい」という想いから名称を「GOGY(コギー)」とリニューアルしました。